毎日の習慣
マインドフルネスとは、実際に何をすることか
マインドフルネスが下手だと言う人の多くは、うまくいっている状態を説明しています。心がさまよって、それに気づいて、その気づきを失敗の証拠として受け取っただけです。その気づきこそが、練習の全部でした。
短い答え
マインドフルネスとは、今起きていることに、意図して、すぐに評価をつけずに注意を向けることです。定義はそれだけです。頭を空にすることではなく、じっと座る必要もなく、瞑想と同じものでもありません。瞑想はそれを練習する形のひとつで、歩きながらでも、皿を洗いながらでも、お湯が沸くのを待ちながらでもマインドフルでいられます。実際にやることは輪になっています。注意がどこにあるか気づく、離れたことに気づく、戻る。この戻ることが、効いてくるくり返しです。
マインドフルとは、どういう状態か
今起きていることに、意図して、すぐに評価をつけずに注意を向けること。それだけです。研究者が使う定義もほとんど変わりません。注意の調整と、出てきたものに対する好奇心と受け入れの姿勢です。
害の大きい誤解が二つあります。ひとつは、マインドフルネスとは頭を空にすることだというもの。そんなことはありませんし、どの練習もそれを求めません。もうひとつは、心がさまようのは失敗だというもの。さまようことは材料です。離れなければ、気づくものも、戻る先もありません。
ここが変わると、いちばん楽になります
注意を止めておこうとしているのではありません。戻ることを練習しているのです。40回さまよって40回戻った時間は、40回の失敗ではなく、40回のくり返しです。
マインドフルネスは瞑想ではありません
瞑想は形のある練習です。時間をとって、姿勢を整えて、注意を意図的に扱います。マインドフルネスは注意の質そのもので、座布団も20分の空きもいりません。
皿を洗いながら、車まで歩きながら、お湯が沸くのを待ちながらマインドフルでいられます。逆に、1時間座って、そのあいだずっと夕飯の献立を考えていたなら、あまりマインドフルではありません。瞑想はマインドフルネスへの確かな道のひとつです。唯一の道ではありませんし、じっと座ることが壁になっているなら、回り道もあります。
この違いは実際に効いてきます。マインドフルネスには瞑想が必要だと思っている人は、自分にはその時間がないと結論しがちですが、ふつうの一日に入る型のほうは、追加の時間をまったく使いません。
ふつうの一日に入る5つの方法
- 感覚をひとつだけ。感覚をひとつ選んで、1分あげてください。音だけ、あるいは足の裏の感じだけ。一つのチャンネルに絞るほうが、漠然と「今ここに」と言われるよりずっと簡単です。
- 手が伸びる前のひと呼吸。スマホに手が伸びかけたと気づいたら、その手が届く前にひと呼吸置きます。これはマインドフルネスのいちばん役に立つ形で、STOPスキルそのものでもあります。
- 今あるものに名前をつける。「胸のつまり。明日のことを考えている。」状態に名前をつけると、その強さは実際に下がります。名づけて、鎮めるの仕組みです。
- ふだんの作業を、ひとつ丁寧に。カップを一つ、注意を全部そこに置いて洗ってください。立派だからではなく、それが1回分になるからです。回数が練習です。
- 起きたら、まず体。起き上がる前に、体が何をしているか気づきます。30秒で十分です。長い版がボディスキャンです。
どれも、何かを信じる必要はありません。注意の運動で、運動と同じように働きます。強さではなく、くり返しで。
自分は下手だと感じる理由
体験のうち、見えるのはさまよっている部分で、役に立っている部分は見えないからです。メールのことを考えていた10秒には気づきますが、それを捉えたその瞬間には気づきません。訓練になっているのは、そちらのほうです。
売られ方もよくありません。マインドフルネスの宣伝の多くは、たどり着くべき穏やかな終着点があるかのように語ります。だからふつうの体験 — そわそわして、退屈で、頭があちこちに行く — が、やり方を間違えている証拠に見えてしまいます。間違えていません。何年も続けている人を含め、ほとんどの人にとって、それがふつうの感じです。
効くところと、効かないところ
ストレス、不安の症状、そして反すう — 悪い気分を回し続ける思考の輪 — については、それなりの根拠があります。本当に役に立ちますし、多くのものを治すわけではありません。
うつの単独の治療にはなりませんし、つらい経験そのものを解決するものでもありません。人によっては、体に細かく注意を向けることが落ち着くどころか不安定さを招くこともあります。解離しやすい場合はとくにそうで、そのときはしびれた感じに合うグラウンディングのほうが安全な出発点です。
しばらく続けていて、落ち着くどころか悪くなっているなら、押し通さずに受け止めてください。マインドフルネスは道具のひとつです。すべての答えだと言われることが、これがまた失敗している何かのように感じられる理由です。
実際の始め方
1日1分、すでにやっていることにくっつけて。歯を磨いたあと。車を出す前。今ある習慣に結びつけることが、最初の一週間を越えられるかどうかのいちばん強い予測になります。対処法を身につけるのと同じ考え方です。
気持ちがいっぱいというより注意が散らばっているなら、自分を取り戻すことのほうが合っています。うるさくて体に来ているなら、グラウンディングから始めて、そのあとここに戻ってきてください。
よくある質問
マインドフルとは、どういう意味ですか。
今起きていることに、意図して、すぐに評価をつけずに注意を向けることです。頭を空にすることでも、穏やかに感じることでもありません。心がさまようのは失敗の印ではなく、さまよったことに気づいて戻ることが練習そのものです。
マインドフルネスと瞑想は何が違いますか。
瞑想は時間をとって注意を意図的に扱う、形のある練習です。マインドフルネスは注意の質そのもので、座布団も空き時間もいりません。皿を洗いながらでも、お湯が沸くのを待ちながらでもマインドフルでいられます。瞑想はそこへの道のひとつで、唯一の道ではありません。
かんたんなマインドフルネスのやり方はありますか。
感覚をひとつ選んで1分向けてみてください。スマホに手が伸びる前にひと呼吸置いてください。今あるものに名前をつけてください —「胸のつまり、明日のことを考えている」。ふだんの作業をひとつ、注意を全部向けてやってみてください。起き上がる前に、体が何をしているか気づいてください。
効くまでにどのくらい続ければいいですか。
やらずに終わる20分より、今ある習慣にくっつけた1日1分のほうが効きます。長さより回数です。訓練になっているのは、気づいて戻った回数であって、座っていた時間ではありません。
マインドフルネスで、かえって悪くなることはありますか。
人によってはあります。解離しやすい場合や、つらい経験を扱っている場合、体に細かく注意を向けることが不安定さを招くことがあります。またマインドフルネスは、うつの単独の治療にはなりません。続けていて落ち着くどころか悪くなるなら、押し通さずに専門家に相談してください。
これは医療上の助言ではありません。一般的なウェルネスの手法であり、医学的・精神的な状態の治療ではありません。不安や気分の落ち込み、頭から離れない考えが日常生活に影響しているなら、医師や専門家に相談してください。危機的な状況では、お住まいの地域の緊急連絡先や相談窓口に連絡してください。
出典
- Bishop, S. R., et al. (2004). Mindfulness: a proposed operational definition. Clinical Psychology: Science and Practice.(英語)
- Goyal, M., et al. (2014). Meditation programs for psychological stress and well-being: a systematic review and meta-analysis. JAMA Internal Medicine.(英語)
- Van Dam, N. T., et al. (2018). Mind the hype: a critical evaluation of mindfulness research. Perspectives on Psychological Science.(英語)